Linux(リナックス)

「Linuxという無料のOSが出ているけど、パソコンに入れてみるべきだろうか」。こんな質問もたまに耳にします。

しかし、Linuxを何のために使いたいのでしょうか。Linuxでは、Windows用ソフトもMacintosh用ソフトも動かないので注意が必要です。WordやExcelのLinux版はありません。似た機能のOpenOfficeというソフトはありますが、全く同じではありません。それに、Linuxは、Windowsと操作がかなり異なる部分があって、慣れるまでが一苦労です。対応している周辺機器も少なく、お気に入りのプリンタのLinux用ドライバが用意されてないので使えない、なんて事は珍しくありません。

Linuxをスタンドアロン(パソコン一台だけで使うこと)で使っても構いませんが、それにしてはソフトが少な過ぎるのが現状です。むしろLinuxは、ネットワークで使ってこそ真価の発揮されるOSです。

例えば、Windowsサーバの代わりにLinuxサーバを使ってWindowsネットワークの管理を行うことは(機能が限定されるとは言え)可能ですし、インターネット上のウェブサーバ(ホームページを提供するコンピュータ)やメールサーバには、Linuxが使われることが多いものです。

ただし、Linuxサーバの管理は、Windowsサーバの管理より何十倍も難しいものです。Windowsのように、マウスで何でも出来ると思ったら大間違い。Linuxは、Windowsで言えばMS-DOSプロンプトと同じように、コマンドをキーボードで打って操作したり、設定ファイル(テキストファイルになっている)をテキストエディタで編集したりします。英語だらけだから、英語アレルギーにはおすすめできません。バージョンアップもWindowsのように楽ではなく、やはりコマンドをキーボードから打ってバージョンアップ用モジュールをコピーしたり、C言語で書かれたファイルを機械語にコンパイル(翻訳)したり、うまくいかない時は設定を直したり。

それに、わからないことがあってもやさしく日本語で解説されたマニュアルがいつでもあるとは限らず、英語マニュアルしか用意されていないことがあります(中学程度の英語能力+パソコン用語の知識があれば大体わかる)が、英語を見ただけで読む気が失せてしまう程の英語アレルギーなら、残念ながらLinuxは使いこなせないでしょう。

余っているパソコンが一台あって、面倒を恐れず何でも果敢にチャレンジできるパソコンマニアにはおすすめですが、面倒臭いことが大嫌いな人には絶対おすすめできません。自動車の整備にたとえるなら、カーショップでアルミホイールやスポーツマフラーやエアロパーツを付けてもらって楽しむことを遙かに超える知識や経験が必要となります。車検は民間車検や代行業者に頼らず自分で通し、故障した時に何とかして自分で原因を探り出そうとし、必要ならエンジンルームを開けて点火プラグやファンベルトを交換したり、ジャッキアップしてタイヤやブーツやブレーキパッドを交換したりするくらいの面倒はいとわない、それくらいの根性は最低限必要です。

サーバ用途として本格的に使うとしても、無料のLinuxにして経費を圧縮できるなんて甘い話はありません。管理に手こずって、結局外部業者に定期的な管理を委託することになっては、本末転倒です。よほど大きな会社であるとか、ウェブサイトを使った大がかりなサービスを提供しているなどの理由により、インターネットのウェブサーバ(ホームページの内容を配信するサーバ)やメールサーバ(受信メールを蓄えたり、メールを送信したりするサーバ)等をあえて社内に置いて管理する必要があるのなら、Linuxサーバを置く価値はあるかもしれません。しかし、管理はLinuxの知識の豊富な人に任せた方がよいので、その人件費も考慮に入れましょう。

それほど大がかりにする必要がないのなら、サーバを社内管理する必要も特にないでしょう。「会社のホームページを公開したり、社内でメールを送受信したりホームページを見たりできればよい」程度なら、プロバイダやウェブホスティング会社と契約して、レンタルウェブサーバやメールサービスをインターネット経由で利用した方が楽で安上がりです。

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